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最近観た映画
2011.02.23 (Wed)
最近観た映画

【ソーシャルネットワーク(2010)】
Facebook創設者マーク・ザッカーバーグが、
仲間作って、ケンカして、独りぼっちになるまでを、
ものすごいスピード感で描く。

トレント・レズナーとアッティカス・ロスの
コンビ(要するにナイン・インチ・ネイルズ)
の選曲もバツグンで、演出の疾走感をガッチリサポート。

アーロン・ソーキンのシナリオは、
重要な部分のみをクローズアップして推測を交えている点を
見ても分かる通り、設定だけを借りたフィクションとして描いている。

Facebookそのものは、それほど重要ではなく、
友達を増やすサービスを作った本人が一番孤独だという事を
浮き彫りにするモチーフでしかないのが面白い。

この映画で、もっとも興味深いのは、ショーン・パーカーを
コカイン所持で逮捕させたのは、ザッカーバーグ本人ではないかという
暗示したカット(電話を切った後に名刺を見つめる)。

これは事実かどうかは定かではないが、
フィンチャー&ソーキンが仕掛けた、
もっとも議論されているシーンで、
二人の目論みは見事に成功したといえる。

こういう事が堂々とするあたりが、
フィンチャーが映画作家たる所以である。

フィンチャー作品の中でも、かなりの面白さで、
「ベンジャミン・バトン」なんか無かった事にしたいくらい。
世間的にはあっちの方がいいんでしょうけどね。


【キックアス(2010)】
昨年末に公開されたアメコミヒーローをモチーフにした、
アクションコメディ作品・・・と思ったら、
とんでもないスプラッタヴァイオレンス映画だった。

内容はひたすらバカでマヌケなコメディテイストなのに、
容赦ないヴァイオレンスとニコラス・ケイジ以外が
マイナーなキャストなので、誰が生き残るのかが分からず、
ドキドキハラハラ。

映画館でこんな気持ちになったのは、「ハート・ロッカー」以来。

だって、主人公と思われる青年が、冒頭30分くらいで
ワルガキに腹刺されて、病院送りになるんだもの。

ちょうど「ミステリーメン」みたいなテイストを想像して、
観た作品なので、先の読めない展開に驚かされた。

観た人だけが分かるのだが、途中から主人公が
シフトチェンジする仕掛けも実に見事。
冴えないオタクの話から壮絶な復讐劇に変貌する
演出&シナリオはスゴイの一言。

もちろんアメコミへのオマージュはたっぷりとあるので、
アメコミファンもそこそこ楽しめる。

ボンクラ俳優化していたニコラス・ケイジの面目躍如の傑作だった。



【ザ・タウン(2010)】

監督としては意外に手堅い演出をする
ベン・アフレックの最新作。

犯罪多発地帯チャールズタウンを舞台に、
描かれる犯罪ドラマなのだが、
主人公が意味不明な行動を取るシーンもあって、
ストーリーは結構大味な印象。

しかし、ベン・アフレックをはじめとする
キャスト陣の演技がどれも素晴らしく、
ドラマの穴を小さく感じさせ、気にならない。

特にジェレミー・レナーの演技は「グッド・フェローズ」の
ジョー・ペシを彷彿とさせる。

クリス・クーパーや最近他界したピート・ポスルスウェイトは
チョイ役なのに、強烈なインパクトを残す。

ヒロインはレベッカ・ホールってのも地味な外見のせいで、
リアル感が増して非常に良かった。

銃撃戦の迫力も中々で、臨場感あふれる演出はなかなかのもの。

ところで、ベン・アフレックでリスタートした
ジャック・ライアンシリーズはどうなったんだろうか?
「トータル・フィアーズ」は結構ハマってたと思うんだけどな・・・。


来週は「英国王のスピーチ」を観る予定。

あと、アカデミー受賞式もあるし、
なんかドキドキしてきた。

ウエダでした。


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